・幼稚園の声・

楽しさの中から安全意識や社会性を育む

苫小牧マーガレット幼稚園 園長 藤川大清 様

園の特色

昔も今も、人間そのものは大きく変わりません。しかし、生活スタイルや周囲の環境、社会の常識や価値観は、日々目まぐるしくへんかしています。人として大切な「思いやり」「くじけずに取り組む力」「新しいことへの好奇心」は変わらぬ価値を持ち続けますが、それを育むための方法は、時代に応じて更新していく必要があります。
本園は、この“時代の変化”から目をそらすことなく、積極的に読み解き、教育環境へと反映させることを重視しています。
現代の子どもたちが、今の生活や遊びの中でこそ育てられる力をしっかりと身につけられるよう、私たちは環境や関わり方を常に見直し、よりよい形へと進化させ続けています。
子どもたちが未来を見据え、変化を恐れず、柔軟に対応しながら、人として大切な心が大きく育つ土壌を整えること―‐それが本園の確かな使命です。

 

契約を交わした経緯

園での生活の中で、転倒や衝突によるケガが続いた時期があり、子どもたち自身の危険予測力や危機回避能力をどのように育てていけばよいのか悩んでいました。そんな折、体育指導の提案をいただいたことが導入のきっかけとなりました。
近年は、子どもの数や戸外で安全に遊べる場所が減り、地域の子どもたちが集団で遊ぶ機会が少なくなっています。かつては、集団遊びの中で自然と身についていた「自分や周囲の安全を守る力」が、今の子どもたちには得にくい時代になっています。
同様に、遊びを通して「ルールを守ることが、自分も友だちも気持ちよく遊べる環境につながる」という経験を積むことが難しくなっています。
そのような背景から、子どもたちが楽しく体を動かす時間の中で、無理なく安全意識や社会性を育むことができるのであれば―‐。
そんな思いで、本園では体育指導を取り入れることといたしました。

 

指導の魅力

子どもたちが“楽しんで取り組めること”こそが、体育指導の最大の魅力です。楽しさがなければ集中も続かず、意欲も育ちません。
たとえば跳び箱では、動作の流れをいくつかのステップに分け、それぞれを子どもが「やってみたい!」「面白い!」と感じられる動きに置き換えて指導しています。一つひとつの動きを楽しく身につけ、最後にそれらをつなげて挑戦してみると――「跳べた!」という大きな成功体験に繋がります。
こうした達成感を積み重ねることで、子どもたちはますます体育の時間を楽しみにするようになりました。

 

貢献度

正課の活動を通して「ほめられた」「できるようになった」という手応えを得た子どもたちは、ほかのカリキュラムにも積極的に取り組むようになります。さらに、自分の意見をしっかり伝えられるようになるなど、心の面の成長にも繋がっているようです。
「体育って、身体能力を伸ばすだけではないんだ―‐」
わが子の姿を通して、そう実感してくださる保護者の方が増えることを願っています。

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